2022 魚沼市プレミアム
限定品

魚沼コシヒカリ

(馬場和夫)

「米食味コンテスト2022 in 魚沼」で最高金匠受賞米となった魚沼産コシヒカリ。魚沼市のもつ気候風土に寄り添い、作り手の知恵と情熱が生きた、これぞ魚沼コシヒカリのてっぺんにふさわしい逸品です。

Special Interview

山あい、渓谷、棚田。
魚沼の地形が生む、最高位のコシヒカリ

いなぐらの米ごしゃい人 馬場和夫さん

魚沼市堀之内稲倉地区。地図で見ると、南魚沼市、長岡市、十日町市に挟まれた、飛び地のような場所だ。冬、訪れると、くねるように行く坂道の間に、白い雪原がゆるやかな段々を描いていた。その中に、馬場和夫さんの田んぼがあるという。

山に挟まれた谷間。天水で育てるコメ

「田んぼがあるのは、あの辺。平場ではないから、広くもないし、多くもない。整備されていないから、四角い田んぼは、一枚もないです」。馬場さんが指差した方角には、角の取れた白い段々。春になれば、棚田が姿を現すのだろう。「すぐそばに、田川の源流が流れてて。渓谷から水を引っ張ってる。水路やU字溝なんてないからね」。馬場さんは、自分でポンプを取り付けた。詰まれば、自力で吸い出す。この水が、とにかくコメにいい。「夏でも冷たいし、きれい。夏、来てくださいよ。すごくいい景色だから」。雪解け水、雨水、伏流水。天からの恵みだけで、馬場さんはコシヒカリを育てている。

コンテストでトップの「最高金匠」に

2022年12月。魚沼市プレミアム認定協議会が行った「第1回米食味コンテスト」で、馬場さんは最高位の「最高金匠」を受賞した。書類審査、食味分析計、味度メーターなどの機器を使った審査の後、審査員が食べ比べて外観、味、食感などを総合的に評価した。「味や食味にコシヒカリの安定した特徴が出ていた」と認められ、自動的に「魚沼市プレミアム認定品」になった。従来のコンテストとは違って「食味審査」で高評価を得たことに、馬場さんは手応えを感じている。「外観は食味につながるから、もちろん大事。あと、生産者の間では、若く青い米がそれなりに入っているのがおいしいというのは定説。その辺のバランスが良かったのかもしれない」。

土地の恵みをいただき、手間をかけて

コメの食味を上げるのは、温度差とよく言われる。特に暑い夏、夜間にしっかり温度が下がることで、米が十分に成熟するからだ。「そういう意味では、この土地は理想的。ただ、中山間地なので十分には陽が当たらない。そのマイナスを補おうと、あれこれ手をかけている」。水量を細かく調節したり、草刈りをしたり。「毎日、草刈りばっかりやってる。みんなにもよく言われる」と笑う馬場さん。なぜか。カメムシの繁殖を抑えるためだ。稲を食べられないうちに対処する。そもそもカメムシは、きれいな水の流れるところに発生する。「おいしいコメを作るのに不可欠な水が、デメリットを生むこともある。土地でも水でも、すべてがいい条件、ってことはないんだよね」。長所は自然の恵みとしてありがたくいただき、短所は手間をかけて小さくする。それが馬場さんの流儀だ。

小さく、深く。土地を掘り込む

馬場さんは、2006年に父親が亡くなったのをきっかけに、田んぼを継ぎ、本格的に米作りを始めた。あえて面積を縮小して、始めた。まず2町歩(約2ha)。「それも良かったのかもしれない」。歩ける範囲に限れば、いつでも行ける。目と手を隅々まで、行き届かせられる。父親の姿を思い出しながら、手探りで収穫まで持っていったところ、1年目から、悪くない等級を得た。2010年の猛暑の年には、魚沼コシヒカリが軒並み評価を落とす中、一等米をキープした。「楽しいんだよね。コメ作り」。馬場さんは言った。「思うようにいかないし、1年に1回しか結果が出ない。結局、何がいいのか、まだ分からない。分からないから続けている」。

力を合わせて、魚沼を発信

夏でも涼しい魚沼の気候は、諸刃の刃だ。冷夏になれば実りが遅くなる。ただ、温暖化という地球規模の変化に、「中山間地の環境が、強みになるかもしれない」と馬場さんは話す。5年ほど前から、魚沼市の中山間地の生産仲間で「山の会」を作り、情報交換をしている。気の置けない間柄で、馬場さんが最高金匠を取った折には、「来年はうちが取るよ」と冗談混じりに交わされた。コンテストは、米農家が腕を高め合う、一つのきっかけにもなっている。
「魚沼は、守門や入広瀬などいいコメが取れる場所が点在している。まず、魚沼の人に食べてもらいたい。そして、地元のコメがおいしいんだと知ってもらいたい。広めてもらうのはそこから」。「魚沼市プレミアム認定品」の発信には、地元が価値を理解し、足場を固めることが大前提だと、馬場さんは力を込めた。

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○商品名 魚沼コシヒカリ
○事業者名 馬場和夫

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