2022魚沼市プレミアム
限定品
魚沼美雪ますの寿司
(有限会社大栄食品)魚沼の新ブランド「美雪ます」を使用した押し寿司。魚沼産コシヒカリ本来のもちもちとした食感と、雪解け水で育った「美雪ます」のしっとりと上品な味をお楽しみください。
審査員の講評
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田村 秀 ( たむら しげる )
小さな会社で、商品開発にとても力を入れている点は高く評価できます。味もとてもよく、魚沼の新たなブランドとして期待できるものです。その一方で、会社の規模から考えればやむを得ないところですが、HPなどの情報発信には大きな課題があると考えます。また、魚沼美雪ます、という品種なので魚沼を商品名に是非入れていただきたいと思います。是非、ここでしか食べられないという点にこだわり続けて欲しいものです。
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武藤 麻実子 ( むとう まみこ )
「魚沼美雪ます」自体が、例えば長野県の「信州サーモン」のように、“魚沼のお魚”として広まっていくきっかけになる商品になればと考えました。本品は、世間に数あるます寿司、あるいは最も有名な富山のものとは異なるおいしさ(素晴らしい魚の弾力や食感、強すぎない酸味等)で、味の差別化はできている一方、「どこで販売するか(どこで買えるのか)」「今後に向けた増産体制」といった課題もあるでしょう。課題をクリアしながら、「魚沼美雪ます」の認知拡大に努めて頂きたいです。新幹線の駅などで販売できるような、チャネルのつながりが生まれれば良いなと思っています。
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須田 和博 ( すだ かずひろ )
「美雪鱒」という名前はとても雪国・魚沼らしく素敵です。正式魚名が「魚沼美雪鱒」なのならば、ブランド感があってさらに良いので、それを全面的に押し出した方が良いです。パッケージを見た時に「魚沼美雪鱒」がパッと目に入って来るようにすれば、すごく美味しそうに感じてもらえるし、他にはないものだと思ってもらえるはずです。
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三崎 敬 ( みさき たかし )
ニジマスとアメマスの良いところどりが、自分たちだけが分かっていても厳しく、 何が良いのか?天然では存在しないことのメリットとは?少し誇張しても良いと思うので 美しい紅色を何かに比喩して訴えかけられないか?味もしかりです。 お客さまは分かりやすいワンイシューやリミテッド(限定、稀少)は響きます。 戦略上、流通しないことが悪いという世の中ではありません。 どうやってデメリットをメリットとして活かし、工夫をこらしてお客さまとの感動的なタッチポイントを描けるかが、成長の鍵となると思います。
Special Interview
魚沼の水に育まれた美雪ますと
コシヒカリ。黄金の組み合わせ
大栄食品 大平哲也さん
鮮やかな紅色。もっちりとした食感に奥深いうまみ。魚沼の清らかな水で育った「美雪ます」を、魚沼産コシヒカリと組み合わせた押し寿司である。魚とコメ、最強の組み合わせを、里山生まれで重ねてみたら‥。しっとり、滋味豊かな一品が生まれた。
一年中、冷たい魚沼の水が理想的
寿司に使われている「美雪ます」は、10年もの研究期間をかけて誕生した。アメマスとニジマス。二つを掛け合わせて生まれた品種で、もちもちとした食感と鮮やかな紅色が特徴だ。ご存じ、サーモンの仲間であることから、味はサーモンの甘さとうまみを思わせながら、サーモンよりも奥深く、すっきりしている。この味わいを支えているのが、魚沼の「水」。もともとニジマスは、冷たく、酸素のたっぷり入ったきれいな水に棲むという。一年中、あまり温度変化のない魚沼の水、しかも雪解け水には酸素が含まれている。実に、理想的だった。
「魚沼のます寿司を作ろう」
大栄食品は1975年、店舗を持たない卸専門の寿司屋として創業した。その後、地元の山菜や野沢菜を使った惣菜や、棒ダラや煮豆といった雪国の郷土料理にラインナップを広げてきた。「美雪ますの寿司」が生まれたのは10年ほど前。「"魚沼のます寿司"を作ろうと考えた」。専務の大平哲也さんは言う。かの有名なマスの押し寿司は、酢が強め。日持ちはするが、マスの色も淡い。「美雪ますの特徴である美しい色としっとりとした食感、奥深い味を活かすのが大前提でした」。そこで、酢や塩は控えめに。水分はしっかり抜いて。保存料は使わない。消費期限は1日だが、これは、ます本来のおいしさを味わえるという、確かな保証でもある。
色、味、食感を活かす作り方で
「美雪ます」はまず、塩漬けにして水分を抜く。「一晩かけて、しっかりと抜きます。6kgの個体に対して1ℓくらいでしょうか」。この時間によって「色もいい、うまみ凝縮、ほどよい水分」に仕上がるという。次は酢に漬け込む。ここで使うのは、出汁を混ぜた土佐酢と穀物酢、砂糖をブレンドした調味料。保存料はいっさい、使わない。そして半身のまま寝かせて1時間。寿司職人だった初代、大平實(ミノル)さんが、丁寧に切り分ける。
冷めてもおいしいコシヒカリが好相性
米は、魚沼の湯之谷産のコシヒカリを使っている。山に囲まれた谷間の土地では、寒暖差が激しく、一年中、豊富に水が流れ出る。その環境が、うまいコメの基盤だ。ただ、一般に、コシヒカリは、長所である粘り気ゆえに、寿司には向かないと言われている。しかし「押し寿司は冷たくしていただくもの。となると、冷めてもおいしいコシヒカリが最適」と大平さん。
大栄食品では、米を炊く時にも、裏にあるな鳴倉(なりくら)山から流れ来る井戸水を使う。研いで浸水してからは、冷蔵庫に一晩。「コメの中心まで同じ温度になって、炊くとゆっくり、全体に火が入る。ふっくら、おいしく炊ける秘訣です」。お米の産地ならではの知恵と、文字どおり「天塩にかけた」作業で、一つひとつが生み出されている。
「ごはんをもっとおいしく」
大栄食品が創業当時から掲げているテーマは「ごはんをもっとおいしく」。全国に名を知られるブランド産地だからこそ、コメを大切に、そのおいしさを広げるための一品を提供し続けてきた。ご飯がおかわりしたくなる、飽きのこないシンプルな味付け、お米の味を引き立てる具材の大きさ。「美雪ますの寿司」は、創業当時からの寿司を握る腕と、郷土に根ざした食品作り、経験と腕を結集させた一品だ。「コメ、水、魚。すべて魚沼産だからこそ、魚沼で作ることに価値がある」。大平さんは「コシヒカリの産地に寿司があるんだ。そう思ってもらって、魚沼に来てもらうきっかけになれば」と、土地への愛着を見せた。
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○商品名 魚沼美雪ますの寿司
○商品情報 1,290円(税込)
○事業者名 有限会社大栄食品
○所在地 新潟県魚沼市干溝755
○営業時間 9:00~18:00
○定休日 日曜日 ※日曜日でも魚沼美雪ますの寿司の対応は可能です。
○問い合わせ先 025-792-2095
○Web https://www.shokumachi-uonuma.jp/uonumabrand/148/
○購入可能場所 うおぬま百菜花ん(魚沼市中原260-3 9:00~17:00
無休(11~4月は水曜定休)、年末年始は休み)