2023 魚沼市プレミアム
限定品

魚沼産コシヒカリ

(株式会社うおぬま小岩農園)

「第2回米食味コンテスト2023 in 魚沼」で最高金賞を受賞したうおぬま小岩農園は、世界最大級のコンクール「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」をはじめ2023年には7つの賞を受賞している。プロに認められたおいしさは、土や肥料づくりといった「農」と緻密な計算や分析の「理」、二つの融合から成り立っている。

Special Interview

魚沼の大地と、
分析が生んだ納得のコシヒカリ

株式会社うおぬま小岩農園
代表取締役 小岩孝徳さん

米の食味を自ら鑑定、データ化

うおぬま小岩農園の代表をつとめる小岩孝徳さんは「米食味鑑定士」の資格を持つ。収穫しながら日々乾燥機ごとの米を食味計で測り、さらに3つ同時に炊飯器で炊いて食べ比べ、その結果を自ら作成した指標に沿って採点してきた。山奥の棚田。川沿いの砂地の田んぼ。平場の大きな田んぼ。標高の高いところ、低いところ。食べ比べてみると、同じコシヒカリでも微妙に味が違うことに気づいた。およそ800枚ある田んぼで取れた米の中から「これだ」と思える米を出品した。

エビデンスを大切にした米づくり

「数値を大切にしている」と小岩さんは言う。例えば、田んぼの土壌分析を自分たちで行う。チッ素やカリウムはどのくらい含まれているか、足りない成分は何か。弾き出して足りない分だけ肥料を与える。多すぎても少なすぎても丈夫な稲には育たない。
では、肝心のおいしさはどのようにして生み出されているのだろう?小岩さんによれば「土づくりに始まり、土づくりに終わる」と言う。大切なのはミネラルと菌。稲はミネラルによって丈夫になり、菌によって病気になりにくくなる。さらに、菌が稲の根っこに棲みつくことで、稲に必要な栄養分を行き渡らせ食味が上がるという。

米のおいしさは「土」から

春になると小岩さんは、炭と竹粉とぼかし(米糠などの有機物に菌を混ぜて発酵させた自家製肥料)を一気に撒く。ミネラルのかたまりである炭は水を浄化し、菌の住処にもなり、乳酸菌を含んだ竹粉は土の悪玉菌を退治して健全にする。そして、ぼかしに含まれる有機物は菌の餌になり、酵母菌などを多く含んでいる。このミネラルと菌によって「生きた土」にする。
うおぬま小岩農園では、このぼかしの材料である菌を採取するところから自分たちの手で行っている。ここが、珍しい。山に入り、腐葉土から菌を採取して培養し、独自の種菌でぼかしを作る。自然とともに、自然を生かす。小岩農園を支える骨格だ。

ワインのように、その年のできばえを楽しんでもらいたい

およそ800枚65haを無農薬、減農薬、一般的な慣行の3つのパターンで栽培している。水源に近い田んぼでは無農薬、平場では慣行など、場所や条件に応じて分ける。端から端まで車で50分。管理も大変だが「猛暑の今年はこの広さに助けられた」と小岩さんは言う。高温になると米は白くなる傾向にあるものの、標高の高い田んぼは影響が少なかった。これが逆に冷夏となれば、平場の米が優位になるだろう。「ただ、白いからおいしくないというわけではない。それに等級は玄米の見た目での話。実食したところ、少しやわらかいがおいしさは変わらなかった」。小岩さんは米をワインになぞらえる。ワインのように米にもその年ごとの特徴や当たり年がある。今年の魚沼コシヒカリは「食感が良かった」とか「柔らかめだったけど甘みが強かった」など、その年の特徴を楽しんでもらいたい。

「残したい」の思いから農業法人化

25年前、宝石鑑定やデザインの技術を生かして宝職業で働いていた小岩さんはUターンして田んぼを継いだ。「自分たちが食べる分だけ作ればいい」の思いは、途中から「残したい」に変わった。安全で豊かな農地、土づくりや肥料づくりの技術。残すことから逆算したら、ある程度の面積、人を雇うことが必要だと分かった。1haから65haへ。「きちんとした企業としてやっていけるぐらいまでは増やしたい」。そう話す小岩さんは酒米も育てている。数年前には雪国では難しいと言われた大吟醸用の山田錦を成功させた。同じ魚沼市プレミアムに認定されている「越後ゆきくら」(玉川酒造)を醸す米だ。そこには「稲の1本1本を丈夫に育てるという無農薬栽培の経験が生きた」と。

すべては、つながっている。「北魚沼の米農家は職人。いい米をどうやってつくるかを常に考えている。だからいい米は、自分以外のところでもたくさんできている。みんなでもっとコンクールに出して、北魚沼をアピールしたい」。かつて、自分の田んぼをまっすぐ見ていた小岩さんの目は今、北魚沼の田んぼを広く、大きく見渡している。

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○事業者名 株式会社うおぬま小岩農園
○所在地 魚沼市大倉790
○Web https://un-farm.com

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