2023 魚沼市プレミアム
限定品

ユリ

(合同会社魚沼森山ゆり園)

清らかな純白の大輪、華やかで優美な花姿。魚沼森山ゆり園は「ユリの女王」の別名を持つカサブランカで、令和4年度新潟県花きコンテスト農林水産大臣賞を受賞した。川に沿って広がる河岸段丘の畑で、カサブランカを含めたオリエンタル系のユリを10品種育てている。

Special Interview

光、風、水。
雪国魚沼だからできた大輪のユリ

合同会社魚沼森山ゆり園 森山行雄さん

魚沼市堀之内は全国屈指のユリの産地

新潟県のユリ切花の作付面積は全国1位。なかでも、県内最大の産地として知られているのが魚沼市だ。大正時代に花卉(かき)栽培が始まり、当時は芍薬などを生産していたが、昭和になってオランダの育成品種を輸入して交配。1949(昭和24)年には、カサブランカをはじめとするオリエンタルユリの栽培をスタートさせた。既に70年以上もの歴史を重ねている。

水はけのいい河岸段丘を畑に

魚沼市の中でも堀之内地区が産地となったのは、河岸段丘の存在が大きいという。「この辺は田んぼが広く取れなかった。でも、河岸段丘があった」。魚沼森山ゆり園の森山行雄さんは言う。広さは200ha以上、何より水はけがよい。この特徴を生かして昔はスギやクワの苗を育てていたが、それがオリエンタル系ユリを含む花卉にシフトしたという。現在は80軒の花卉農家があり、うち40軒がユリを育てている。

大地のパワーを品質に映す露地栽培

全国的にみると、オリエンタル系ユリの栽培はハウスが圧倒的だが、河岸段丘を畑とするこの辺ではほとんどが露地栽培になる。背景には「雪が多くて施設を建てるとなると大変」という理由もある。「ただ、露地で育てたユリの方が品質がいい」と森山さんは言う。茎の太さ、花のボリューム、頂点の花まで水を引き上げるパワー。大地に根を強く張れば張るほど茎が大きくなり、大輪の花をつける。「自然に任せる露地栽培は時に被害もあるけれど、それでもメリットの方が大きい」。記録的な猛暑となった2023年も露地が功を奏した。「魚沼市は、最高気温で全国のランキングにものりましたが、実は最低気温は低くて熱帯夜は1日だけ。ユリの消耗が少なかったんでしょう」。全国のハウス栽培がダメージを受けるなかで被害は最小限に抑えられた。「環境に助けられた」と森山さんは言う。

大きくて硬い「国産球」で大輪の花を

魚沼のオリエンタルユリの代名詞でもある大輪の花。この豊かなボリュームは「国産球」と呼ばれる球根から生まれている。きっかけは1994(平成6)年の干ばつだった。出来が悪かったのをきっかけに、堀之内花卉園芸組合(現・魚沼花き園芸組合)が奮起。かつて取り組んでいた国産球根づくりに踏み切った。オランダから輸入した球根を1年かけて大きくして定植。「硬さもある国産球からは、つぼみは大きく茎も硬いユリができる」。組合ではこの球根でできたオリエンタルユリを「魚沼三山」と名付けた。森山さんのユリは現在でも7割が「魚沼三山」だ。

徹底した管理と目配り。培った技を明日へ

農林水産大臣賞は先代の時に1回、森山さんの代になって3回受賞した。「国産球を使う農家が少なくなるなか、国産球にこだわってきた。ユリ栽培はとにかく手をかけることが大切で、細かな管理が欠かせない」。1年かけて球根を大きくしたら冷凍保存、採花から逆算して解凍、芽伸ばし、並べ替えなどを行ってから畑に。5月に定植してからは、17年前に組合で完成させたかんがい施設から水を送り、肥料を与え、時に遮光して7月から10月まで採花を行う。畑でも、植える前も常に温度や環境を管理し、目を配り続ける。だからこそ「思い通りのものができた時がうれしい」と森山さんは顔をほころばせた。「ベストと思うやり方が見えた今、これを理論化して継いでいきたい」。魚沼森山ゆり園では今、三代目となる息子さんも一緒にユリ栽培を行っている。

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○事業者名 魚沼森山ゆり園
○所在地 魚沼市吉水982番地2
○問い合わせ先 tel.080-5535-2259
○メールアドレス yukiom2684@gmail.com

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